もくじ
「香害」ご存知ですか？
「香害」という言葉をメディアで見ることが増えました。
香害は、柔軟剤や洗剤など生活用品に含まれる化学物質が原因で体調不良や健康被害を生じることです。化学物質に反応するシックハウス症候群に症状です。
主な症状は、頭痛・吐き気・めまい・嘔吐・息苦しさなどです。
柔軟剤の強い香りや、香水の強い香りが苦手という方は少なくありません。
電車で隣の席の方の香水で気持ちが悪くなる、吐き気に繋がるという方もいます。
「そんなに気になる？」と、私自身がその症状になるまで他人事として考えていました。
この記事では、お医者さんから「化学物質過敏症」の診断を受けたことがある私が実際に感じていること、実際に労働環境を変えるまでかなり役立った「キーメイトマスク」をご紹介します。
強い化学香料、化学物質に悩む方のお役に立てますと幸いです。
本当に、化学物質過敏症は辛いです。
他人事ではなく自分もいつかその可能性があると思って読んでいただけると幸いです。
香料には、身体に良いものと悪いものがある
香りがメンタルや体調に影響していると、アロマ精油の香り嗅いだことがある方は実感があると思います。
リラックスしたい時にラベンダー、元気になりたい時にシトラス系、深い落ち着きを得たい時にウッド系など、香りが脳に直結することはご存知だと思います。
化粧品成分には「人工香料」と「天然香料」があります。
天然香料はすぐに揮発するものが多いので、アロマオイルや精油の香料は一定時間を過ぎると揮発して匂いを感じなくなります。
人工香料は、「ゼラニオール」（バラの香り風の合成香料）、ムスク系（ムスクは動物から摂取される香料成分でしたが動物保護の観点から使用禁止になっており、現在ムスク系の香りはほぼ人工香料です）など自然の香りに似せて作ったものです。
人口香料はホルムアルデヒドと組成が近く、精子の数や不妊症の原因になる「環境ホルモン」に近いです。
長時間香りが残るものは天然香料でない可能性が高い
では、体に影響が出にくい天然香料と体に負担が将来かかる可能性がある人工香料は、どうやって見分けると良いでしょうか。
一番わかりやすい見分け方は、どれくらいの時間、匂いが残るか？という点です。
天然精油の香料は、長時間衣服や物質に付着して香ることはありません。
「香りカプセル」「空調用の香料」など、長時間にわたって強い香りを残すためには、何かしらの化学物質を含む必要があります。
※オーガニックコスメと謳っていても、実は香りを長時間残したりより印象的にするために人工香料を混ぜているメーカーもあります。成分表では「香料」としか記載されないため、メーカーに問い合わせてみないと本質がわからない場合が多いです。
「化学物質過敏症」について
当時の私が、化学物質過敏症の診断を受けるまでの経過です。
体調に現れるまでは1ヶ月ほどでした。
該当する香りを嗅ぎ数時間経つと嘔吐する状況でしたが、受診するまで半年以上我慢していました。
強い香料が散布されている場所から、居場所を変えるという選択肢もあります。
早めに医療機関に相談することを心からおすすめします。
強い人工香料には耐性ができるものではなく、色んな化学物質にアレルギー反応を起こすようになります。自分の体と相談することが大切だと思います。
これは私のケースです。
①勤務地の空間には香料が散布される環境でした。明らかに強い香料であることを感じていました。
（メーカーの規定量の2〜3倍以上だったとのこと）
↓
②勤務開始後1ヶ月半、出勤後3時間ほど経過すると頭痛がするようになりました。
屋外で新鮮な空気を吸うと頭痛がおさまる。他の場所にいる際には一切不快感はありませんでした。
↓
③出勤後、頭痛ののち吐き気、悪心、嘔吐の症状が出るようになりました。
出勤時の洋服や備品に香料の付着を感じていました。
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④帰宅後もその香料が付着しているものの近くに行くと頭痛がするようになりました。
家の洗剤や化粧品を全て捨て、無香料の洗剤やシャンプーに買い替えました。
※天然香料、食品の香りなどはなぜか体調が悪くならないことに驚く
↓
⑤柔軟剤、香水などの他人の香料に反応するようになりました。
香水や芳香剤、消臭剤が強い場所が苦手になリました。
↓
⑥半年以上経過してアレルギー科、香害専門の医師に診察を受けました。
「論理的に説明ができているためメンタルの問題ではない。勤務場所の影響と判断する」と診断書が発行されました。
という経緯でした。
私の場合軽度の段階で環境を変えることができ、現在は通常の生活ができています。
重症の方になると公共交通機関に乗り隣人の方の香料でも苦しくなるため、障がい者申請する場合があるそうです。
一度発症すると、組成が近い化学物質に次々と反応するようになるとも医師の方が仰っていました。
何気ない日用品の選択が、そんなに苦しむ人が出てくる原因になるとは…
会社側で補償がない場合や、意見を出しても受け付けられないケースが多いとのことです。
私もそうでした。空調の方が心配してくださったことを今も覚えています。
強い香りによって症状を感じている方は、自分で判断して身を守る必要があります。
香害に関する協会があります
当時、市の環境課にも相談をしました。
香料への問い合わせは日々増えているそうなのですが、それでも明確なアレルゲン選定や診断は難しいそうで、泣き寝入りになるパターンが多いそうです。
深刻な症状がもし続いたら、この協会に相談してみては？とパンフレットを頂きました。
化学物質過敏症支援センター
各自治体でも「香害」という話題を取り上げている県、市は多いようです。
香害について声を上げられず、苦しまれている方はきっと多いと思います。
私も周囲に話すと微妙な反応をもらうことが多々ありました。
私自身も、きっと体感していない時期は気のせいだよと耳を貸さずに励ましていたかも知れません。
アメリカでは15％に上る割合で香害を訴える人がいるという情報もあります。
参考情報：ダイアモンドオンライン様より引用 https://diamond.jp/articles/-/178411
香害対策に有効だった高機能な「キーメイトマスク」
人工香料、香害に悩む方の口コミを検索する中で、香りを遮断してくれる工業用のマスクを知りました。
モノタロウという工業製品を取り扱うサイトから購入できます。
（クラレ クラフレックス社）
仕様：肌に直接触れる表面素材にはソフトな風合いの孔あき不織布を採用し、息苦しさや暑苦しさを軽減しています。
【用途】自動車修理工場 塗料・塗装工場 石油・化学工場 除草・殺虫作業等
（モノタロウ 公式サイトより引用）
販売価格は５枚で500円台と一般的なマスクより少し高価にはなるのですが、このマスクには本当に救われました。
人工香料の強い場所でも香料に酔わずに済み、着用中は香りを一切感じずに済みました。
このマスクのおかげで悪心・嘔吐の回数は当時かなり減りました。
見た目が活性炭シートによってグレーがかっていること、厚みがあるので周りからの質問は幾度かありましたが、周りの視線よりも自分の体を守ることが優先と思います。
まとめ
「香害」について、実際に自分の体で感じてみないと理解できないことばかりだと思います。
柔軟剤メーカーが発売する「長時間持続する人工香料」が、全ての人に心地よいわけではない。とはっきり言えます。
化粧品会社時代に香害で苦しむ人の存在を知っていたら、もっと早く体に良い商品へシフトできていたかも知れない。当時は私自身も強い香水もたくさん使っていましたし、香害について全く知りませんでした。
香害に苦しむ方々が1日も早く自分の身を守れるよう心から願っています。
こまめに新鮮な空気を吸う、リモートワークなど居場所を選べる仕事を探す、自分で仕事を作るなどできることがたくさんあります。
香害の存在やケミカル成分の人体への影響を知り、消費者側から選択を変える必要もあると思います。ひいては自然環境へも大きな効果があると感じています。
最後までお読みくださりありがとうございました。
香害で苦しむ方が減ることを願い、改めて天然の成分にこだわって発信を続けます。
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